3学期スタートしました!

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穏やかなお天気の多かったひと月でしたが、お元気でお過ごしでしたでしょうか?冬休みの間は、昨年の大雪を思い出してドキドキしつつも、もう少しだけ、子ども達が思い切り遊べるほどの雪が欲しいなあと思いながら園庭を見つめていました。

さて、今日からいよいよ3学期がスタートします。きっとお友達と会えるのを楽しみにしていたことでしょう。同時に、長いお休みの後で、少し登園に不安を感じているお子さんもいるかと思います。園生活のリズムを取り戻すまで、心身ともにちょっと時間が必要かもしれませんが、笑顔で見守り、背中を押して頂けますようよろしくお願い致します。

3学期はこれまでのまとめでもあり、次のステップへの準備の期間でもあります。この一年の様子を思い出しながら、最初の頃はあんな風だったなあ…そして運動会の後にはこんな姿に変わったっけ…自分の言葉でたくさん話してくれるようになったなあ…友達と遊べるようになったなあ…楽しそうな表情がぐんと増えたなあ…などなど、成長の道筋を辿りながら、あの時、この時、とフラグを立てる事で、あらためてお子さんの様子を振り返る事ができます。

そこから、4月からの次の一歩に向けて、今のうちに経験させてあげたい事、身に付けて欲しい事、もう少しだけ上の方に引っ張って、励ましながらやり遂げさせてあげたい事、自信をつけてあげたい事など、一人一人へのテーマも浮かんできます。先生方も冬休みの間に自己評価を行い、2学期を振り返り、3学期の目標を立て、自分の姿と子ども達の育ちの姿を結び付ける作業を経て、新たな気持ちで今日を迎えました。驚くほどあっという間に過ぎる3学期だからこそ、一日ずつ、限られた時間を、大切に過ごしていきたいと思っています。

特に年長さんは、ランドセルの色、机、小学校の名前…そんな話題がよく子ども達から出てくる頃となります。どの子も嬉しそうに教えてくれますが、同時に卒園を淋しく思う時間もあるようです。淋しいと嬉しいが混在する時期、ちょっと感じやすくなるお子さんもいますが、園生活で育った人を信頼する力、友達を求める力、よく考える時間、人の話に耳を傾ける姿勢、それを大いに認め、「こんな事もできるようになったよね!」と一緒に確かめながら、より自信を持てるよう準備をしていきたいと思います。

この1年も、ご家族皆様が明るく健康で、そして笑顔で過ごせますよう心よりお祈りしております。本年もどうぞよろしくお願い致します。

                                     園長 佐々木 圭子

うさぎのぴーちゃんの隣に、雪像を贈っていただきました!そーっとなでる子ども達です
うさぎ年の一年、ぴょんぴょんとステップアップしながら、元気に過ごせますように・・・

クリスマスお祝い会に向けて

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日が暮れるのがとても早くなりましたね。雪が降る前のこの時期は、一年で一番夜空の藍色が濃く感じられ、星も月もとても映えて美しく見えます。先日の皆既月食は、お子さんとご一緒に見てくださった方がとても多かったようで、翌日はとても盛り上がりました。あいにくこの地域は、赤胴色になる頃には雲がかかって見えづらかったかと思いますが、時間の経過とともに、様々な色や形に変化する月の様子を何度も眺めた特別な夜のことは、きっと心に残るでしょう。

また、最近は木星も綺麗に見えますが、火星の赤がとても目立つようになり、お子さんでもすぐに見つけられると思います。余談ですが、便利なもので、星座のアプリをいれてスマホを空にかざすと、星の名前や星座が浮かび上がり、新しい発見もあって面白いです。雪明かりの前のこの時期、早い時間から綺麗な夜空を見る事ができますので、どうぞ暖かくして、お子さんとお楽しみ下さい。

さて、幼稚園ではクリスマスお祝い会に向けての取り組みも半ばに差し掛かり、日に日に盛り上がりつつあります。

年少さんは、運動会の頃とはずいぶんと違って、積極的に踊りを楽しんでいます。大きな行事で踊った経験が、ちゃんと次のステップへと繋がっているのだなあと嬉しくなります。6月の、あの“ぽやんぽやん”とした感じももちろん可愛かったのですが、今は自分の身体をより自由に動かせるようになった事で「楽しい!!」の感情が深まっているのがよく伝わってきます。本番もどうぞお楽しみに!

年中さんは、今年はちょっと違ったカラーでお届けします。クリスマスに“かえるの劇??”と思われるかもしれませんが、何冊かの絵本の中から、今年度の年中さんは、これが一番喜びそう!と選びました。色々なかえるになりきって、ノリノリで取り組んでいます。クラスからはカエルの歌の鼻歌が聞こえてきたり、自分の役を嬉しそうに教えてくれたりと、とても楽しそうです。当日もにこにこと演じてくれたらいいなあと思っています。

年長さんによる降誕劇では、子ども達が毎日どんどん変わっていくのがわかります。踊りが少しずつ上手になったり、長いセリフを一人で言えるようになったり、小さな声が大きくなっていったり…この過程の中で、自分の、そして友達の頑張りを認め合う事で、一人一人が大切な役であり、大きな一つのものを創り上げる喜びを経験させてあげたいと思います。この劇を通して、クリスマスの本当の意味が心に残る事を願っています。

聖劇の最後に歌うグロリアが、皆さんの心を清め、喜びの時間をもたらしてくれますように…

子ども達の頑張る姿は、保護者の皆様に何にも代え難い喜びと幸せを運んでくれることでしょう。どうぞ目に焼き付けてください。

そしてクリスマスという日が、ご家族皆様で心豊かに、今年は特に、世界の人々の幸せを思い、心から祈る日となります事を願っています。どうぞ温かいクリスマスをお迎えください。

                                  園長 佐々木 圭子

追記

「取り組みも半ばに差し掛かり・・・」と書いてから日が経ってしまいました。いよいよ明日はクリスマスお祝い会です!

帰り際、バスに乗る子ども達に「明日、頑張ろうね~!」と言ったら、「エイエイオー!」と言って帰った子がいました。運動会みたいだなと笑ってしまいましたが、それくらいの気合が入っているのでしょう。

今日お休みしたお子さん達が心配ですが、皆揃って明日を迎えられることを祈っています。素敵な一日になりますように・・・

    明日もにこにこ踊ってね!

やさしいきもち

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園の周りの樹々も綺麗に色づき、季節は晩秋に向かっている事を実感します。吐く息も白くなり、ストーブが恋しい頃となりましたね。

さて、先日、コロナ禍でずっと控えていた街中でのショッピングに、とうとう踏み切った時の事です。  そこで本当に久しぶりに、お店のスタッフさんと会話をしたのですが、その店員さんが実に親切で、私がした1つの質問に対し、丁寧に答えてくれただけでなく、さらに私にとって「より良いであろう」と考えてくれた情報を2つも3つも教えてくれたのです。そのお陰で私は2時間半という時間を無駄にせずに済み、且つ必要な物を手に入れる安堵感も味わいました。まず私の話を聞いて、どうするのがベストかを判断し、自分の知っている限りの事を、一歩踏み込んで教えて下さった若いスタッフさんのプロ意識に感動しました。しかも素敵な笑顔付き!私も精一杯の御礼と感謝を伝えたのでした。                 

これができるのは「仕事だから」…だけではないのです。むしろ、「仕事だから」、という意識を持っていてはできない事かもしれません。相手に対する的確な答え、そして真摯な姿勢とコミュニケーション力…それは、親切心や相手に寄り添おうとする誠実さからきているものです。自分もそうでありたいなあ…とすっかり感心し、その日はずっと温かい気分で過ごしたのでした。

そんな若い人から気づきを貰っているような私ですが、子ども達との会話の中で自分なりに大切にしている事があります。それはほんの小さな事でも、気づいた時には伝えてみる事。「この色、とても似合ってるね」「〇〇ちゃんに、すごく優しく教えてあげてたね、見てたよ」…などなど、ごく個人的な言葉のやり取りを、後でちょっと嬉しく思い出してくれたり、あるいは自信になってくれたら良いなと思っているからです。ですが、その会話が個人的なものであればあるほど、そばにいた子はほぼ100%「あのね、ぼくもね、さっき手伝ってあげたんだよ!」「わたしも、この色の服を持ってるよ!」と自分の事を一生懸命伝えてくれるので、一瞬で聖徳太子状態になります(笑)。みんないっぱいいっぱい褒められたいのですよね。

そしてそんな場面から、誰かが喜んでくれる嬉しい事や、優しい事を伝えるという“ふるまい”を、感じてくれたらいいなとも思っています。大人が言ったりやったりしている事を、子どもは真似したがります。他の事でも当てはまりますが、口で言われた事より、目で見た行動をそのまま真似したくなるのです。

褒められた子も、褒めているのを見た子も、きっといつかそれを真似するでしょう。だからこそ気が付いた時に、良い事や素敵な事を、その場で伝えるようにしています。相手に優しい言葉を伝えている時には、自分も優しい気持ちになっている事に気づきます。子どもとの世界はそんなやりとりで満ちているのではないでしょうか。  

思いやりのある子に育って欲しい、優しい子に育って欲しい…そんな祈りが通じるように、私達大人が、子どもが真似したくなるような優しい姿を見せていきたいものですね。                           

                                     園長 佐々木 圭子

神様、お父さんお母さん、お友達、先生達・・・
たくさんの優しさに包まれて、健やかに大きくなりますように・・・

実りの秋

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朝夕はすっかり涼しくなり、季節の移り変わりを感じます。園庭のほおずきも橙色に染まり、本格的な秋の訪れを告げています。これからどんどん夜が長くなっていきますね。

さて、幼稚園はお店屋さんごっこに向けて、グループ活動が始まりました。バラエティに富んだ4つのお店が開店します!お店屋さんごっこを楽しめるように、できるだけリアルなイメージを持てるようにと、子ども達と相談しながら、先生方も工夫を重ねています。例えばおすし屋さんでは、マグロの解体ショーから始まる!といった具合で、見ているだけでも楽しいです!

お店屋さんごっこの活動のねらいは大きく2つあります。

クラスや学年を超えて、普段あまり交流のなかった新しい仲間と関わり、一緒の時間を過ごし、友達関係の幅を広げていくという事。

もう一つは、様々な素材に触れ、創意工夫しながら、制作活動を楽しみ、協力して一つの物を創り上げる達成感を味わうという事です。

これは、ここ数年で耳にするようになった「非認知能力」を育てる事にも繋がる活動だと考えています。「非認知能力」とは、学力やIQなど数値で評価できる能力以外の、粘り強さや協調性、コミュニケーション能力、思いやり、自信、自制心などの幅広い力や姿勢を指します。学業や仕事など、子どもの将来にも大きく影響すると言われ、特に、幼児期から育成することが大切だと言われています。

今回、普段あまり関わりのなかった友達と、話し合ったり、時にちょっともめたりしながらも、

「どうやったらうまくいくか?」を考える事は、新鮮な刺激になるでしょう。他の子のやり方をじっとみて、考えて、そこから得るものも大きいでしょう。大人が教えるより、子ども同士で観察している時の方がすんなり理解できる事も多いからです。活動を進めていくうちに、自然と役割が生まれる場面も見られています。うまくいった時には、「やった~!」「楽しい!!」と共に喜び合い、さらに遊びに集中していきます。継続してじっくり取り組み、皆で完成させる事で、やりきった満足感や、達成感を味わえるように、導いていきたいと思います。

活動が終わった後は「じゃあ、また!」と一仕事終えたかのように、お互いに挨拶をしてクラスに戻っていく子もいて、面白いです。仲間意識が少しずつ芽生えているのでしょう。

お家でも、初めて聞く友達の名前が出てくるかもしれませんね。

お店屋さんごっこができるまでの様子は、後日お手紙でもご紹介します。そして今年度は、実際どんな風に出来上がったのかをぜひご覧いただきたく、本番直前に参観日を予定しております。

人間関係の広まりと深まり。遊びこむ事、考える事。それを沢山経験できる、まさに「豊かな実りの秋」になる事を願いつつ、毎日を過ごしていきたいと思います。

                                  園長 佐々木 圭子

写真の絵本、いかがでしょう?

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夏休みが終わり、いよいよ2学期が始まりました。今年は暑すぎず、涼しすぎず…北海道らしい過ごしやすい日が多かったように思います。行動制限のない夏休みとはいえ、変わらずのマスク生活の中、色々と気をつけながら昨年より少しだけ自由な夏を過ごされたのではないでしょうか?私も車で遠出をし、一本の木を見に行きました。20数年来の再訪です。「はるにれ」という絵本のモデルになった、豊頃町にあるハルニレの木です。

「はるにれ(姉崎一馬)」                                 これは文字のない、写真だけの本です。一本のはるにれの木の四季を写しているのですが、そこには確かに言葉があり、厳しい自然の中で生きている木の命が伝わってきます。幼稚園の時にクリスマスプレゼントとしてもらったこの本が私は大好きで、何度も何度も開いたものでした。同じ北海道の中にある木だと知ったのはずっと後の事でしたが、季節ごとの写真が自分の身近な風景そのものだったので、吹雪の中で一人(一本)で立っているその厳しさは想像に難くなく、とても可哀そうに見えました。そして季節が巡り、青々とした葉をつけて陽を浴びている姿をみると、夏の日差しが自分の中にも蘇ってくる感じがして、それを楽しみました。その本を開くときは、いつも一人だった記憶があります。写真だけの世界に、自分なりのストーリーをつけてすっぽり入り込んでいたのでしょう。だからこそ大人になっても印象深く残っているのかもしれません。子ども達にも、そんな絵本と出会って欲しいなと思っています。現在、樹齢は150年だそうです。しっかりと葉が生い茂り、生命力に満ちていて、懐かしい友達に会ったような嬉しさを味わってきました。お近くをお通りの際は、ぜひ眺めてみて下さい。

そしてもう一冊、この夏イチオシの、これまた写真の絵本をご紹介します。

「くみたて(作 田中 達也)」

ミニチュア写真の絵本です。前述の本とは反対に、こちらは今年の春に出たばかりの新刊で、先生方にも人気です。普段どこの家にもある、すぐ手に取れるあれもこれもが、大変身!自分が小人になったような視点で見るとあら不思議!これを分解するとこうなるのかあ…という科学的な視点で見たり、よく見たら〇〇でできてるの?!と驚かされたりする楽しい本です。この絵本だけでなく、著者のミニチュア作品はダジャレをテーマにうまく作られていて、その発想につい笑ってしまいます。大人の方にもぜひ出会って欲しいなと思います(Instagramもおすすめです!)

今回は、ぜひ手に取って欲しいなという写真絵本二冊をご紹介しました。どちらも二学期より絵本の部屋で貸し出しします!

長い二学期も、こんな風に子どもと一緒の視線で、笑ったり、驚いたり、感じたり…そんな時間を過ごせる事を楽しみにしています。大人の中の子どもの部分のアンテナをしっかり張って、共感を大切にしていきたいものですね。今学期もどうぞよろしくお願い致します。             園長 佐々木 圭子