センス・オブ・ワンダー

Posted Posted in 園長先生からのメッセージ日々の子ども

雪の少ない、穏やかな年末年始だったなあ…と思っていたのもつかの間、一週ごとにドン、ドンと大雪が…やはりしっかりと辻褄の合うようにできているのですね。雪かきは大変でしたが、おかげで園庭には大きな雪山ができました。

今日から3学期がスタートします。休み明けは、まだまだお家モードのお子さんもいらっしゃるかと思いますが、お友達と顔を合わせたらきっと大丈夫。再会を喜ぶ笑い声が、雪の幼稚園をすぐに温めてくれるでしょう。

さて、「センス・オブ・ワンダー」という言葉をご存知でしょうか?子どもが生まれながらにもっている、自然の中の美しいもの、未知のものに出会ったときの喜びや驚き、感動、大きな自然の力を前にしたときの畏敬の念など、柔軟な感性のことを指します。そして幼少期には持っていても、大人になるにつれて失ってしまいやすいものだとも言われています。

私達は日々、子ども達の「センス・オブ・ワンダー」に触れながら生活しています。「どうしてこれは〇〇なの?」と聞かれるたびに、その視点に驚かされたり、当たり前の風景について、もう一度一緒に考える機会をもらっていると感じます。大人が普段スルーしてしまっている事を、全く違う方向からよく観察している事に驚き、嬉しく思ったり、感心したりするのです。

時には本気で答えに困る事もあります。でも「どうしてだろうね?」と考える時間はとても楽しいものです。そこから調べて「なるほど!そうだったんだ!」の答えを共有した時には、子どもも大人も同じラインに立っている感覚があります。それもまた素敵なものです。

こんな風に、実は気づかないうちに子どもの柔らかい感性の「おすそわけ」をもらい、当たり前にそこにある物の不思議さや、自然の美しさに触れ、感動する機会をもらい、大人が失いつつある感性に刺激を与えてもらっている気がするのです。

3学期はまさに自然と向き合う時間がいっぱいです。雪の結晶の奇跡的な成り立ちや、気温によって感触を変える不思議、思い切り身体を委ねて遊ぶ経験、そんな一つ一つが子どもたちの記憶に残り、北国の冬の自然を知り、馴染んでいく事になるのでしょう。

そうそう、「センス・オブ・ワンダー(レイチェル・カーソン)」には、子どもの特別な感性に寄り添い、感じ、分かち合う大人の存在が大切だ、とも書かれています。

「センス・オブ・ワンダー」という言葉を心におき、大人も柔らかな心を持ち、楽しみながら共に寄り添ってまいりましょう。

3学期もどうぞよろしくお願いいたします。                  園長 佐々木 圭子

イエス様へのプレゼント

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吐く息が真っ白になり、いよいよ冬の訪れを感じる頃となりました。

「雪だ雪だ!!」と窓に張り付いて園庭を眺めている子ども達の後ろ姿がとても可愛らしく、優しい気持ちになります。

さて、子ども達もクリスマスに向けての準備が始まりました。「クリスマスはイエス様の生まれた日。だから、みんなからもお祝いをプレゼントしましょう。何をプレゼントできるか考えて過ごしましょう」と伝え、イエス様に見て頂く劇や遊戯を一生懸命頑張る気持ちや、待降節(クリスマスまでの準備期間)を思いやりの心で過ごすこと、などなど…子ども達と一緒にイエス様と、そしてご家族の皆様に喜んで頂ける事を楽しみに取り組んでいます。

満3歳・年少さんは、2グループに分かれて遊戯を踊ります。あっという間に楽しそうに踊れるようになった年少さん。運動会の時には恥ずかしくて踊る事ができなかった子も、あれれ…?にこにこと踊っているではありませんか!これは嬉しい驚きです。一生懸命音楽に合わせて踊る姿はこの時期ならではの可愛らしさです。どうぞお楽しみに!

年中さんは「どうぞのいす」をアレンジしてオリジナルのオペレッタを演じます。森の動物たちがやさしさのリレーを繋いで行きます。最後の“オチ”にもご注目下さい!子ども達には、この劇を通して、「どうぞ」という言葉に込められた思いや優しさを感じ、これからの毎日の生活の中にも、それが生きていくような取り組みになったら良いなと願っています。

年長さんはイエス様の生まれた聖なる夜の劇を演じます。数回の劇遊びの中で色々な役に挑戦し、その中から何を演じたいか決めた子ども達。ちゃんとストーリ―を理解し、みんなで一つの劇を作るんだという意識が日に日に高まっているのを感じています。自分の役を演じる時間だけでなく、友達の様子を真剣に見ながら集中している姿はさすがです。毎年同じストーリーではありますが、その年によって、違ったカラーが出るのがとても楽しみです。今年の年長さんらしい、元気さと明るさ、そして温かい雰囲気の劇になるだろうと期待が高まります。一人一人の成長のつぼみが、毎日ぽんぽんと開いていくのがわかります。この時期の成長は本当に素晴らしいものです。 

本番はまた別の力も加わります。どんな輝きが見られるのか、とても楽しみにしています。

さて、話は変わりますが、毎年この時期になると日本では「第九」が歌われます。これは“歓喜の歌”と訳され、年末の風物詩として親しまれていますが、歌詞には「時代(戦争)によって分断された人々が、神様の力によって再び結び付けられる。兄弟たちよ、一つになりましょう」という人類の団結と平和を祈る言葉が記されています。ある指揮者は「第九は平和な国の人にしか歌えない」と言いました。確かにその通りです。クリスマス、そして年末に向かうこの時期に、戦争という苦難の中にある人々、そして幼い子ども達を思い、祈りを捧げる事。そして何か少しでもその人たちのためにできる事を考える事。ご家庭でも、お子さんと共にそんな平和への思いを馳せる時間を過ごして頂けたらと願っています。                    

                                     園長 佐々木 圭子

絵本 だいすき!

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あっという間にもう10月も終わりに近づき、陽が落ちるのがとても早くなりましたね。

夏が長かった分、季節がぎゅっと詰まって感じますが、気づけば葉が黄色や赤に染まり、風景を美しく彩っています。

さて今月は、そんな秋の夜長におすすめの絵本をご紹介したいと思います。

『 あめだま 』作 ペク ヒナ 訳 長谷川義史  ブロンズ社

この絵本は、正確には「絵」ではなく、人形とセットを写した写真でできています。
思わず笑ってしまう主人公の表情と、本物のようなセットの中で繰り広げられる
ストーリー。特筆すべきは、それが全て関西弁!という事です。
どのページをめくってもその表情と迫力に笑ってしまう事間違いなしです。
そして圧巻なのはラストに向かうページの紅葉の美しさ!
そして、それまでと打って変わった“しん”とした静けさと切なさ…
ここで読者の心の動きを“がらっと”変えてしまうところも大きな魅力です。
ぜひこの季節に親子で開いて欲しい本です。

『 サンタさん ありがとう ちいさなクリスマスものがたり 』作 長尾 玲子 

季節は少し進みまして、クリスマスのプレゼントにおすすめの絵本です。
そしてこちらも正確には「絵」ではありません(笑)。見ているだけで
「うわ~!」と感動する繊細な刺繍で綴られていて、見終わった後には
なんとも心が温かくなります。サンタさんには顔がないのに、不思議とちゃんと表情が見えてくる…そんな絵本です。同シリーズの「クリスマス・イブのおはなし」という小さな3冊組の絵本もとってもおおすすめです。
お子さんと一緒に、そしてお子さんが眠った後に、もう一度ゆっくり開いて、ほっこりと幸せな気持ちを味わって欲しい絵本です。

『ゆうれいとすいか』 作 くろだ かおる 絵 せな けいこ

こちちは来年の夏にぜひ!(笑)ゆうれいなのに、周りの登場人物は全く怖がりません⁈
しかも、「あれ?ゆうれいだったのかい?」と気づかれた後も、
人間達は全く動じず、そのままお手伝いをさせられるという面白さ。
そしてゆうれいだからこそできる(⁈)「そうくるか?!」という展開が、
まあ面白いこと!初めてこの本に出会った時の衝撃は未だに忘れられません。
こちらも「ゆうれいとなきむし」「ゆうれいとどろぼう」の
3冊のシリーズがあります。こんなゆうれいなら友達になれそうな、
子ども達にも大人気の本です。

子ども達は絵本が大好きです。読み聞かせの時には友達と一緒にいっぱい笑い、そして時には思いやりや優しさ、美しさにしみじみする事もあります。私は読み聞かせの後の「空白の一瞬」がとても好きです。そこに子ども達の余韻がぽかんと浮かんでいるからです。この時期に出会った絵本はずっと記憶に残る宝物。そして、絵本は子どもだけのものではありません。忙しい時間を過ごしている保護者の皆様にこそ、心が柔らかくなって、ほっとする、そんな読後の醍醐味をぜひ味わって頂きたいと思います。読書の秋、ぜひご家族皆様で絵本の世界を味わってみませんか?                    

 園長 佐々木 圭子

子どもの言葉と心を豊かに育む

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残暑が厳しく、今年は秋はくるのかしら…?と思っていましたが、すとん!と朝夕の風が冷たくなり、急いで秋の準備が必要になりました。まさにわかりやすい季節の変わり目、体調も崩しやすい時期ですので、ご家族皆様どうぞお気を付けくださいね。

さて、お知らせしておりました通り、9月26日には札幌市私立幼稚園連合の研修として、当園の保育を公開します(市内の幼稚園・認定こども園教職員が対象の研修です)。テーマは「子どもの言葉と心を豊かに育む」。今年はより子ども主体の保育を展開するために、これまで以上に子どもから出た言葉を丁寧に拾って、次の活動への意欲が繋がるよう意識して活動を進めてきました。子ども達の「やってみたい!」「〇〇したらいいんじゃない?」から広がった遊びは、時間の流れと共に様々な変化を見せながら、現在も継続しています。

ご紹介しますと、おとぐみは「あっちゃん あがつく」の絵本から、言葉集めをしたり、食べ物を作る見立て遊びから、絵本に出てくる食べ物を作るレストランごっこにまで発展しています。最近は子ども達がメニューを選び、色々な材料を使って食べ物作りを楽しんでいます。

にじぐみは月間絵本「にんじゃでござる」から、忍者ごっこへと発展し、手裏剣を作ったり、忍者の技や生活を調べたり、先日はなんと薬草を作るために公園で色々な草花を採取して、擦ったり、煮詰めたりして薬まで作りました!

もりぐみはお気に入りの歌から、子ども達のやってみたい!を叶えた活動をいくつも経験しました。“しゃぼんだま”の歌の時期には園庭でシャボン玉を吹いたり、“とんぼのめがね”の歌ではとんぼの目の色のセロファンを貼ったとんぼを作り、それを通して見える世界を楽しみました。

はとぐみは、子ども達のお気に入りの絵本から、その本にまつわる言葉遊びや製作を楽しみ、最近は“せんたくかあちゃん”の絵本から、モンテッソーリの洗濯のお仕事と結びつけ、もっぱらかあちゃんになりきって洗濯中です。洗濯板を使って、飽きずにゴシゴシと活動を楽しんでいます。

子ども達が遠慮せずに自分の気持ちを表せるようになるためには、耳を傾けてくれる大人が側にいてくれるという安心感が必要です。そしてそれに対してどんな言葉をかけるかもとても大事です。 

子ども達の意欲が生まれるきっかけやチャンスを作ってあげられる事をより意識した時間は、私達にとって保育を深める機会となりました。言葉は目に見えないからこそ、本当に大切だと…。

そして幼い子ども達への大人の言葉の影響力は良くも悪くも計り知れないものです。大人が意識しないようなちょっとした言葉も、子ども達は覚えている事が多くあります。時に感情に流されそうになる事もありますが、“人と人”として良い言葉を選んで伝えていきたいものですね。

さて、これまでの活動について、ブログではお伝えしきれなかった部分もありますので、後日クラス便りでもご紹介します。子ども達の生活の積み重ねを共感して頂ける内容かと思いますので、どうぞお楽しみに!                         

                                     園長 佐々木 圭子

「あなたが生きている事、それだけで素晴らしいんだよ」

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これまで経験のないような暑い暑い夏休みでしたね!道外から来た身内や友人は口を揃えて「北海道がこんなに暑いなんて!」と言っていましたが、住んでいる私達もまさに同じセリフを何度口にした事か…ですね。ご家庭でも暑さ対策に気をつけながら、楽しい夏休みを過ごされた事と思います。

さて、夏休みの間、職員は研修に参加し、様々な分野の方のお話を聞く機会がありました。その中の一つである北海道カトリック幼保連盟による研修会では、仙台教区原町教会の幸田神父様の講演を聞くことができましたので、その中で心に残ったお話をご紹介します。

アメリカの女性精神科医であるジュディス・ルイス・ハーマン著「心的外傷と回復」によると、人は生まれた最初の瞬間から、ケアしてくれる人との関係の中で基本的信頼を獲得していくそうです。

基本的信頼とは、「人というものは信じてもいい」「この世の中にいて自分は安全だ。守られている」「自分の存在には大切にされる価値がある」の三つだそうです。これが元にあるからこそ、人は成長できるという事です。

この「自分は大切にされ、守られている」という安心を感じながら生きることは、“神様からの無償の愛”にも通じているように感じました。「あなたが生きている事、それだけで素晴らしいんだよ」という言葉と共に、どんな自分でも無条件に愛し、大切にしてくれる存在があるという事を子ども達にも伝え、日々感じて欲しいというメッセージを、講話の中から受け取りました。

しかし、幼い子ども達に「あなたが生きている事、それだけで素晴らしいんだよ」と言葉で伝えるのは、なかなか難しい事かもしれません。

イエス様は子ども達に説教はしませんでした。ただ抱き上げることで子どもの存在そのものを祝福したそうです。

私達も言葉ではなくそれを伝えるとしたら、その思いを持ちながら、目を見て子どもの話を聞いてあげる事、その子のためだけの笑顔を向けてあげる事、抱きしめてあげる事ではないでしょうか。

イエス様と同じように、まなざしで、そして行動で、たくさんの愛を伝えていけると良いですね。

長い二学期が始まります。私達も子ども達との一日の時間の中で、一人一人の言葉に耳を傾け、目を見て笑顔で話し、手を握り、抱きしめて、愛を伝えていきたいと思います。

                                     園長 佐々木 圭子