子どもの言葉と心を豊かに育む

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残暑が厳しく、今年は秋はくるのかしら…?と思っていましたが、すとん!と朝夕の風が冷たくなり、急いで秋の準備が必要になりました。まさにわかりやすい季節の変わり目、体調も崩しやすい時期ですので、ご家族皆様どうぞお気を付けくださいね。

さて、お知らせしておりました通り、9月26日には札幌市私立幼稚園連合の研修として、当園の保育を公開します(市内の幼稚園・認定こども園教職員が対象の研修です)。テーマは「子どもの言葉と心を豊かに育む」。今年はより子ども主体の保育を展開するために、これまで以上に子どもから出た言葉を丁寧に拾って、次の活動への意欲が繋がるよう意識して活動を進めてきました。子ども達の「やってみたい!」「〇〇したらいいんじゃない?」から広がった遊びは、時間の流れと共に様々な変化を見せながら、現在も継続しています。

ご紹介しますと、おとぐみは「あっちゃん あがつく」の絵本から、言葉集めをしたり、食べ物を作る見立て遊びから、絵本に出てくる食べ物を作るレストランごっこにまで発展しています。最近は子ども達がメニューを選び、色々な材料を使って食べ物作りを楽しんでいます。

にじぐみは月間絵本「にんじゃでござる」から、忍者ごっこへと発展し、手裏剣を作ったり、忍者の技や生活を調べたり、先日はなんと薬草を作るために公園で色々な草花を採取して、擦ったり、煮詰めたりして薬まで作りました!

もりぐみはお気に入りの歌から、子ども達のやってみたい!を叶えた活動をいくつも経験しました。“しゃぼんだま”の歌の時期には園庭でシャボン玉を吹いたり、“とんぼのめがね”の歌ではとんぼの目の色のセロファンを貼ったとんぼを作り、それを通して見える世界を楽しみました。

はとぐみは、子ども達のお気に入りの絵本から、その本にまつわる言葉遊びや製作を楽しみ、最近は“せんたくかあちゃん”の絵本から、モンテッソーリの洗濯のお仕事と結びつけ、もっぱらかあちゃんになりきって洗濯中です。洗濯板を使って、飽きずにゴシゴシと活動を楽しんでいます。

子ども達が遠慮せずに自分の気持ちを表せるようになるためには、耳を傾けてくれる大人が側にいてくれるという安心感が必要です。そしてそれに対してどんな言葉をかけるかもとても大事です。 

子ども達の意欲が生まれるきっかけやチャンスを作ってあげられる事をより意識した時間は、私達にとって保育を深める機会となりました。言葉は目に見えないからこそ、本当に大切だと…。

そして幼い子ども達への大人の言葉の影響力は良くも悪くも計り知れないものです。大人が意識しないようなちょっとした言葉も、子ども達は覚えている事が多くあります。時に感情に流されそうになる事もありますが、“人と人”として良い言葉を選んで伝えていきたいものですね。

さて、これまでの活動について、ブログではお伝えしきれなかった部分もありますので、後日クラス便りでもご紹介します。子ども達の生活の積み重ねを共感して頂ける内容かと思いますので、どうぞお楽しみに!                         

                                     園長 佐々木 圭子

「あなたが生きている事、それだけで素晴らしいんだよ」

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これまで経験のないような暑い暑い夏休みでしたね!道外から来た身内や友人は口を揃えて「北海道がこんなに暑いなんて!」と言っていましたが、住んでいる私達もまさに同じセリフを何度口にした事か…ですね。ご家庭でも暑さ対策に気をつけながら、楽しい夏休みを過ごされた事と思います。

さて、夏休みの間、職員は研修に参加し、様々な分野の方のお話を聞く機会がありました。その中の一つである北海道カトリック幼保連盟による研修会では、仙台教区原町教会の幸田神父様の講演を聞くことができましたので、その中で心に残ったお話をご紹介します。

アメリカの女性精神科医であるジュディス・ルイス・ハーマン著「心的外傷と回復」によると、人は生まれた最初の瞬間から、ケアしてくれる人との関係の中で基本的信頼を獲得していくそうです。

基本的信頼とは、「人というものは信じてもいい」「この世の中にいて自分は安全だ。守られている」「自分の存在には大切にされる価値がある」の三つだそうです。これが元にあるからこそ、人は成長できるという事です。

この「自分は大切にされ、守られている」という安心を感じながら生きることは、“神様からの無償の愛”にも通じているように感じました。「あなたが生きている事、それだけで素晴らしいんだよ」という言葉と共に、どんな自分でも無条件に愛し、大切にしてくれる存在があるという事を子ども達にも伝え、日々感じて欲しいというメッセージを、講話の中から受け取りました。

しかし、幼い子ども達に「あなたが生きている事、それだけで素晴らしいんだよ」と言葉で伝えるのは、なかなか難しい事かもしれません。

イエス様は子ども達に説教はしませんでした。ただ抱き上げることで子どもの存在そのものを祝福したそうです。

私達も言葉ではなくそれを伝えるとしたら、その思いを持ちながら、目を見て子どもの話を聞いてあげる事、その子のためだけの笑顔を向けてあげる事、抱きしめてあげる事ではないでしょうか。

イエス様と同じように、まなざしで、そして行動で、たくさんの愛を伝えていけると良いですね。

長い二学期が始まります。私達も子ども達との一日の時間の中で、一人一人の言葉に耳を傾け、目を見て笑顔で話し、手を握り、抱きしめて、愛を伝えていきたいと思います。

                                     園長 佐々木 圭子

運動会最高でした!

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先週末の運動会には、たくさんのご家族の皆様にお越し頂き、ありがとうございました。

他の日はくっきり🌞マークなのに、この週末の二日間だけは☂マークが消えず…毎日どきどきしながらのこの日を迎えましたが、無事に予定通り終える事ができ、大変嬉しく思っております。

終了後、ほどなくしてパラパラと雨が落ちてきたのを見て、やはり神様が見守っていて下さったのだなと、あらためて感謝の気持ちが湧いてきました。

満3・年少さんは一生懸命ゴールを目指して走りましたね。ゆっくり先生と歩いた子もいましたが、その分たくさんの拍手と応援をもらいました!遊戯では、初めてお客様に注目され、緊張からかたまってしまうお子さんもいましたし、嬉しくてたまらないのか、笑いが止まらないお子さんもいました(笑)。どの姿も、この時期ならではの年少さんらしい可愛さでしたね。来年、再来年の運動会にはきっと今年の姿が懐かしく思い出される事でしょう。

年中さんは海賊をテーマに踊ったり、宝物をゲットするというストーリー仕立てのプログラムに挑戦しました。玉入れに初めて挑戦した時には、ほぼ入らず、両チームとも5個ずつ程度でしたが、どんどんコツをつかみ、良い勝負ができるようになりました。練習の過程で勝ち負けを意識する子が少しずつ増えてきたのも大きな成長でした。遊戯では、キラキラの剣を持って嬉しそうでしたね。年少さんの時には踊らなかった子が、照れながらも笑顔で踊っている姿を見て大きな成長を感じました。

年長さんは遊戯を踊り始めたその日からやる気満々!時には先生が撮った動画を見ながら、「ここはうまくいった!」「ここはこうした方がいいよね?」などと話し合い、子ども達自身で考えてやってみるという経験もしました。「うまくいかなかった」→「次に向けて考えて努力する」→「結果に結びついていく」という繰り返しが、ますます年長さんらしい逞しさを育んでいったように思います。運動会本番2日前に、初めて跳び箱を飛べたり、鉄棒ができたり、ブリッジができたり、大繩を飛べたりした子もいて、ぎりぎりまで本当に頑張りました。もうその時点で拍手喝采だったのですが、本番でその姿を皆様にも披露できた事は大きな自信となった事でしょう。リレーでは、最後まで1位には届かなかったクラスもありましたが、コツコツ練習を重ねて、少しずつ早く走れるようになっていく姿は素晴らしかったです。そして何より、仲間を応援する気持ち、応援される喜びを味わう事は、これから先の人生にもとても大切な事です。運動会までの一か月の様々な経験全てがこれからに繋がっていく事でしょう。

毎年の事ながら、ご家族の幸せそうな笑顔にも感動を頂きました。ご自分のお子さんだけでなく、子ども達皆に温かい笑顔やエールを送ってくださるこの特別な空気感に、私たち職員も幸せを感じました。皆様のご協力により、素晴らしい一日を過ごせました事に心より感謝申し上げます。残り少ない1学期もどうぞよろしくお願い致します。            

                                     園長 佐々木 圭子

4月の表情

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桜の便りもちらほらと聞こえ始め、もうすぐ札幌でも開花宣言が聞かれそうです。春ですよ!とふきのとうやクロッカス、そして黄緑色の若芽が告げています。

新入園児さんは、毎日いくつもの「はじめて」を経験しています。幼稚園で朝のお支度から始まり、シール帳のシールを貼ったり、棚の教具や教材で遊んだり…園の色々なお部屋に行ったり、園庭の遊具で遊んだり…と、きっと頭の中は目まぐるしい速さで更新されている事でしょう。

そうそう、お祈りも目をつむって手を合わせたり、先生やお兄さんお姉さんの口元を見つめながら、口真似で歌を歌ったり、上手にできるようになってきました。玄関やバスで泣く子も少しずつ減りつつあり、慣れてきてくれているのが伝わってきます。

そして、頑張っているのは新入園児さんだけではありません。一つ進級した年中さん、年長さんがとても優しく、親切に関わってあげているのを見て、とても嬉しく見ています。満三歳から入園した年少さんだって、ちゃんと“先輩っぽさ”が出ています。泣いている子の姿を見つめる目が優しく「入ったばかりだからお母さんに会いたいんだよね」と言うセリフがなんとも微笑ましいです。

シールを貼るところを教えてあげたり、朝のお支度を教えてあげたりと、ぐっとお兄さんお姉さんになっている子ども達。見ていると、さりげなく背中に手を添えて連れて行ってあげていたり、ちょっと膝を曲げて顔を覗き込みながらお話してあげたりと、その気遣いに本当に感心します。誰も教えていないのに、自然とそんな風に動けるのはすごい事ですよね。“思いやりが目に見える”場面がいっぱいでひそかに感動している毎日です。

慌ただしい4月ではありますが、子ども達の成長の一歩一歩に刺激を受けながら、私達大人もしっかり寄り添って歩きたいですね。

さて、そしてちょっと慣れてきた頃ではありますが、来週から連休に入ります。ほっと一息、ご家族で楽しい時間をお過ごしください。この時期は、お子さんでも春の印があちこちに見つけやすいのでお散歩も楽しいかと思います。

そして連休明けは、きっとすっかりお家モードになっていますので、また涙を流すお子さんもいらっしゃるかな?と思いますが、全くのゼロに戻るわけではありません。お子さんの中にちゃんと積み重なったものがありますので、あまりご心配なさらずに、笑顔で背中を押して頂けると嬉しいです。連休明けはどんなお顔で来るかなあ…と(泣き顔も含め)楽しみにお待ちしております。

                                     園長 佐々木 圭子

2025年度スタートです

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長い冬の終わりと共に、ふきのとうが顔を出し、春の心地良い風に深呼吸をしたくなります。

今年もまた新しい出会いに胸を躍らせる新年度が始まりました。

進級した事にわくわくしている在園児さんと、幼稚園ってどんなところかな?とどきどきしている新入園児さんを迎え、そこに、子ども達を楽しみに待っていた先生達が出会って、また新しいクラスが誕生します。どんなカラーに混ざり合って、どんなクラスに形を変えていくのか、とても楽しみです。

特に新入園児さんとご家族の皆様にとっては、特別な春ですね。ご家族の元から離れて、初めて“社会”に飛び込むお子さんが多いかと思います。

自分が中心だった世界から、周りに目が向くようになり、先生のサポートを受けながら、自分の手や足を使って様々な経験をします。年齢の近い子ども達と出会い、言葉を交わし、ちょっとずつ一緒に遊べるようになります。小さな手と手が自然に繋がるようになったら、もうすっかり「こどもの世界の仲間」というわけです。

大人が教えてあげられない事をこどもの世界で学んでいきます。時には思い通りにいかず、涙を流す事もあるでしょう。自分の気持ちを伝えたり、相手の気持ちを知ったりというこの経験の全てが、社会で生きていく力となります。子ども達同士で互いを育て合っていくのです。

自分でできる!という自信をつけ、友達ができる事を褒め、互いに違う良さを認めあう事。不思議を見つける目を持ち、美しいものに感動する事。そしてそれを共有するために心のやりとりをいっぱいする事。その毎日の積み重ねで、感性豊かに育って欲しいと願っています。

皆様とのこのご縁に感謝しながら、いつも明るく安心な場所と感じてもらえるよう、職員一同気持ちを合わせてお子さんとご家族の皆様を見守らせて頂きます。お子さんを真ん中に、ご家庭と幼稚園とが手を繋ぎ、温かな円い輪で包んであげられるようなイメージで、幼稚園生活を共に創って頂ける事を願っております。今年度もどうぞよろしくお願い致します。  

                                    園長  佐々木 圭子