園長先生からのメッセージ日々の子ども

「あなたが生きている事、それだけで素晴らしいんだよ」

これまで経験のないような暑い暑い夏休みでしたね!道外から来た身内や友人は口を揃えて「北海道がこんなに暑いなんて!」と言っていましたが、住んでいる私達もまさに同じセリフを何度口にした事か…ですね。ご家庭でも暑さ対策に気をつけながら、楽しい夏休みを過ごされた事と思います。

さて、夏休みの間、職員は研修に参加し、様々な分野の方のお話を聞く機会がありました。その中の一つである北海道カトリック幼保連盟による研修会では、仙台教区原町教会の幸田神父様の講演を聞くことができましたので、その中で心に残ったお話をご紹介します。

アメリカの女性精神科医であるジュディス・ルイス・ハーマン著「心的外傷と回復」によると、人は生まれた最初の瞬間から、ケアしてくれる人との関係の中で基本的信頼を獲得していくそうです。

基本的信頼とは、「人というものは信じてもいい」「この世の中にいて自分は安全だ。守られている」「自分の存在には大切にされる価値がある」の三つだそうです。これが元にあるからこそ、人は成長できるという事です。

この「自分は大切にされ、守られている」という安心を感じながら生きることは、“神様からの無償の愛”にも通じているように感じました。「あなたが生きている事、それだけで素晴らしいんだよ」という言葉と共に、どんな自分でも無条件に愛し、大切にしてくれる存在があるという事を子ども達にも伝え、日々感じて欲しいというメッセージを、講話の中から受け取りました。

しかし、幼い子ども達に「あなたが生きている事、それだけで素晴らしいんだよ」と言葉で伝えるのは、なかなか難しい事かもしれません。

イエス様は子ども達に説教はしませんでした。ただ抱き上げることで子どもの存在そのものを祝福したそうです。

私達も言葉ではなくそれを伝えるとしたら、その思いを持ちながら、目を見て子どもの話を聞いてあげる事、その子のためだけの笑顔を向けてあげる事、抱きしめてあげる事ではないでしょうか。

イエス様と同じように、まなざしで、そして行動で、たくさんの愛を伝えていけると良いですね。

長い二学期が始まります。私達も子ども達との一日の時間の中で、一人一人の言葉に耳を傾け、目を見て笑顔で話し、手を握り、抱きしめて、愛を伝えていきたいと思います。

                                     園長 佐々木 圭子