2024年度スタートです!

投稿日: カテゴリー: 園長先生からのメッセージ日々の子ども

日に日に雪解けも進み、春の風を感じる頃となりました。ひなたではクロッカスも顔を出し始めましたね。今年もまた新しい出会いに胸を躍らせながら、明るく期待をもって、2024年度のスタートを切りたいと思います。

園生活は3歳から6歳までの縦割りクラスを基本として過ごします。子ども達はお兄さん、お姉さんの姿を見て真似をしながら様々な事を吸収して沢山の力をつけ、いずれは小さなお友達の手本となる日がやってきます。このサイクルが脈々と引き継がれているのが、縦割り保育の良さです。小さな先輩に憧れたり、年下の子を可愛いなと思えたり…そんな自然と沸き起こる気持ちや、縦で繋がる経験は想像以上の力になります。

これまではご家族との生活が中心だった子ども達が、初めて「こどもの世界」に一歩を踏み出します。自分の気持ちを言葉にして伝えあい、感じあい、共鳴する経験をします。いっぱい笑って、時々けんかもして、涙を流す事もあれば、誰かを慰めたり、誰かに励まされたりする経験をします。その積み重ねの中で、自分がしてもらって嬉しかった事を、友達や家族にもしてあげたいという気持ち、そして自分がされて嫌な事は、周りの人にもしない、という人間としての根っことなる「思いやり」が育っていきます。

最初はご家族と離れる淋しさから、涙をこぼす事もあるかもしれません。そこから「はじめて」のハードルが連続でやってきます。よいしょ!よいしょ!と一つずつ飛び越えるうちに、どんどん逞しくなっていくのです。これからの1年で、どんな事を感じ、どんな表情を見せてくれるのでしょう。それを受け止めて、お子さんと共有する時間をぜひ丁寧に味わってください。私達もそれを日々とても楽しんでいますし、これからは皆様とそれを分かち合える事を楽しみにしています。

このご縁に感謝しながら、いつも明るく安心な場所と感じてもらえるよう、職員一同気持ちを合わせてお子さんとご家族の皆様を見守らせて頂きます。お子さんを真ん中に、ご家庭と幼稚園とが手を繋ぎ、温かな円い輪で包んであげられるようなイメージで、幼稚園生活を共に創って頂ける事を願っております。今年度もどうぞよろしくお願い致します。  

                                    園長  佐々木 圭子

春に向かって

投稿日: カテゴリー: 園長先生からのメッセージ日々の子ども

早いものでもうすぐ3月。毎年この頃になると、時の流れの速さにあらためて驚かされます。

卒園する年長さんの小さな頃の写真を見返すと、本当にあどけなく幼い表情で、「わあ、可愛い!」と思わず声が出ます。ぷくっとしていた頬がすっきりして、お兄さんお姉さんの顔になりました。 

いつの間にか表情もどんどん豊かになり、言葉の獲得と共に、自分を表現する幅が広がっていました。それは園生活の中での絵画や制作、歌、お祈りの言葉…その全てに見て取れました。

最近廊下ですれ違いざまに聞こえてきた会話です。

「〇〇ちゃん、絵(を描くの)上手だね!」

「うん!おえかきはさあ、自信あるんだよね!好きだから!」

“ああ、すごくいいなあ!”と思いました。人に褒められた事を素直に受け止めて、自分でも自分を褒めてあげられるような事が一つでもあるのは、とても素敵だなと…。子ども達の成長に一番大切なのは、自信とそれを認めてくれる周りの大人、友達の存在です。子ども達の「見て見て!」「先生、あのね!」「〇〇ができるようになったよ!」を今日までいったいいくつ耳にしたでしょう。

今の時代だからこそ、たった一つでも「これは自信がある!」「これは大好き!」と思えるものを持ち続けたり、新しく見つけたりして、自分の個性、強さとして、しっかり抱えていって欲しいと願っています。

さて、これから小学校で沢山の“初めて”を経験する年長さん。新しいカラーを持った友達との出会いには、喜びや驚き、そして時には戸惑いもあるでしょう。自然に会話したり、笑ったりするなかで仲良くなれる子もいれば、一見“ジャイアン”みたいに、強そうでちょっと理不尽に感じる子もいるかもしれません。幼さゆえの言葉や、行動に傷いて、お母さんやお父さんの胸に帰ってくる事もあるでしょう。どうかこれまで通り、まずは気持ちを聞いてあげて、それからそっと背中を押してあげてください。自分の気持ちをわかってくれる人がいるという絶対的な安心感は、“このままの自分で良いのだ”という肯定感に繋がります(これは大人も同じかもしれませんね)。その思いがあれば、きっとその先も自分の力で乗り越えていけるようになるでしょう。

そして「自分がされて嬉しい事を、周りの人にもしてあげよう!」という言葉を聞きながら育った虹の森の子ども達。思いやりの心、人を信じる力、ありがとうの気持ち、豊かな感受性。これらの種は、ちゃんと芽吹き、葉をつけ、子ども達の中に咲いています。迷って、分かれ道に立った時には、きっと“より善い道”を選び取って歩んで行けると信じています。

保護者の皆様、この一年も温かく見守って頂き、ありがとうございました。心より感謝申し上げます。進学、進級する子ども達、そしてご家族の皆様にとって新たな喜びの春となりますよう、職員一同心よりお祈りしております。                  

                                     園長 佐々木 圭子

晴れ姿に思うこと

投稿日: カテゴリー: 園長先生からのメッセージ

もうすぐ3学期が始まるというタイミングで沢山の雪が積もり、園庭は雪遊びにちょうど良いコンディションとなりました。冬休みの間は、クリスマスやお正月と、ご家庭で楽しい時間を過ごされた事でしょう。初めての体験もいくつかあった事と思います。また沢山の「先生!あのね・・・」を聞けることを楽しみに、始業式を待っていました。

さて、今年の成人の日の事です。遡る事2009年度、姉妹園に勤務していた時の卒園生の保護者の方が、写真を送って下さいました。当時の子ども達5人揃っての晴れ姿です!「先生、誰が誰か、わかりますか?」とのお題です。皆さんも、お子さんの15年後ぐらいを想像しながらお読みくださいね(笑)。

男の子2人はビシッとスーツに、一人は赤の、一人は紺の斜めストライプのネクタイ。髪型もきめて、そしてちょっとニキビがちらほら…でも面影はそのままだったので、すぐにわかりました。いつも一緒にいた、お喋り大好きな仲良し2人組。よくケンカもしていました(笑)。  

女の子3人は晴れ着で、もちろんお化粧ばっちり!それぞれ積極的、控えめ、照れ屋さん…そしてしっかり者だった3人は、すっかり綺麗なお姉さんです。メイクと髪色で、女の子の方がぱっと見難問ですが、素顔を透かすべく、じ~っと見ていたら、あの当時の顔が浮かんできました。大人っぽくなってはいますが、輪郭と笑顔がそのままだったのです。

一人だけ悩んだ末にとうとう降参しましたが、正解を聞くと納得です。その女の子は丸顔からほっそりとずい分印象が変わっていましたが、目元、口元は面影がそのままでした。正解率は80%、全問正解ならず…悔しかったですが、すっかり大きく立派になった姿を見る事ができて、本当に嬉しかったです。

そしてこの5人全員が揃ったのは卒園以来だったそうで、早速飲みに行く約束をしたとの事。どうやら本当に大人になってしまったようです…(笑)。幼稚園の縁が、大人になってまた繋がって…どんな会話をするのか、隣の席でこっそり聞いてみたいものです。

さて、そんな成人の日はまだまだ遠いですが、4月からは進学、進級を迎える子ども達もまた、次の一年のステップアップに向けての時間を過ごす3学期です。

自分で考えて、自分の力でやってみる機会をさらに増やしたり、子ども達同士が考えたり、助け合ったりしながら活動する事を意識して見守っていきたいと考えています。そして自信をもって春を迎えられるよう準備していきます。

年明け早々から胸の痛む日々ではありますが、被害に遭われた方々の事を思い、少しでも早く様々な悲しみやご苦労から救われますよう子ども達と祈りたいと思います。本年もどうぞよろしくお願い致します。                                   

                                     園長 佐々木 圭子

クリスマスに向かって

投稿日: カテゴリー: 園長先生からのメッセージ

日が暮れるのがすっかり早くなり、いよいよ本格的な冬の気配が感じられる頃となりました。

雪が降る前のこの時期は、札幌の空が最も暗く深い藍色に包まれます。月や星の輝きは思わず見とれるほど美しく、大きな力を感じると同時に、与えられているものへの感謝の気持ちも湧いてきます。       

華やかなイルミネーションももちろん綺麗ですが、静寂の中の美しさには心奪われるものがあります。

さて、そんなクリスマスへと向かう時期、幼稚園では子ども達がイエス様のお誕生をお祝いするために、心のプレゼントを準備しようと頑張っています。ちょっとご紹介しますね。

満3歳さんと年少さんは3チームに分かれての遊戯に取り組んでいます。くだものだったり、わんちゃんだったり、サンタさんだったり…になりきって可愛らしく踊っています。運動会の頃に比べて、何と覚えるのが早い事かとびっくりしています。そしてとても積極的です!この数か月の成長を嬉しく見ています。 

本番もにこにこ踊れるかな…?お客さんを前にしたらピタッと踊らなかったりして…?と先生達もドキドキです。毎年色々と起こりますが(笑)、それも含めて小さな愛らしい姿をどうぞお楽しみに!

年中さんはオペレッタに挑戦します。クリスマスにイエス様にプレゼントするのにふさわしい、思いやりいっぱいの劇です。「相手が喜んでくれたら、自分もとっても温かい気持ちになるんだよ」というこのお話は、年中の今こそ伝えたいテーマです。絵本を読むところから始まり、劇ごっこや練習の取り組みを通して、クリスマスの後も、しっかりその思いやりの心が刻まれる事を願っています。セリフも歌も、一生懸命覚えて張り切って取り組んでいます。当日の衣装にもご注目下さい!

年長さんは憧れの聖劇を演じます。昨年は、先輩の年長さんが演じている劇を真剣に見ていた子ども達。いよいよ自分たちの番が来た事を楽しみながら、やる気満々で、役になりきって頑張っています。

お友達の場面が終わるたびに、子ども達から拍手が沸き起こります。「〇〇ちゃん、じょうずだった!」「〇〇くんの声、大きかったね!」と褒め合って、お互いを認め合う事が、またやる気や自信に繋がっているのがわかります。そこに大人がいなくても、子ども達の世界の中でそれが広がっている事をとても頼もしい気持ちで見ています。一人一人が大切な役として、大きな一つのものを皆で創り上げる喜びを経験させてあげたいと思います。そしてこの劇を通して、クリスマスの本当の意味が心に残る事を願っています。

 また同時に、クリスマスに向かうこの時期は「祈る」という事を今一度大切にしながら過ごしたいと思います。待降節の期間は、自分の心の中の気持ちを言葉する事で、願いに気づいたり、誰かのために祈ったり、そんな「心を深める」時間になったらいいなと思っています。思いやりや感謝、そして世界で起きている事を知り、祈る…そんな時間もとても大事です。大人も、宗教は持っていなくても、祈るという気持ちや体験は誰しもあって、人生の色々な場面で祈りながら生きています。この「誰かのために祈る」という尊さ、目に見えない力を信じる力が、これからも心に残ってくれる事を願いつつ伝えていきます。

クリスマスという日が、ご家族皆様で心豊かに、今困難の中にある世界の人々の平和を思い、心から祈る日となります事を願っています。どうぞ温かいクリスマスをお迎えください。   

                                     園長 佐々木 圭子

ドアの向こうから…

投稿日: カテゴリー: 園長先生からのメッセージ日々の子ども

秋が駆け足で訪れ、あっという間に黄色や赤の紅葉が綺麗に色づきましたね。手稲山の初冠雪も見られ、気が付くと早いもので11月…「触ってみて?冷たいよ??」と言いながら小さな手が次々と差し出される朝の玄関の風景に、今年もこの季節がきたのだなあと感じています。

さて、今日は園長室に聞こえてくるいろいろな「声」についてお話ししたいと思います。園長室は、ドアは一応閉まってはいるのですが、実はたくさんの声が聞こえてきます。子ども達の声はもちろんの事、先生方の声、お祈り、歌声…どれもはっきり聞こえてくるのです。そしてそれを聞きながら、あれこれ感じたり考えたりしています。どこかで泣き声が聞こえてきたら様子を見に行ったり、何かで盛り上がっている声が聞こえたら「どれどれ?」と覗きに行ったり、何かあったかな?という声の時にはフォローに入る事もあります。

お店やさんごっこのグループ活動の時は面白い会話が聞こえていました。始まりの時には「じゃあ、いってきま~す!」「〇〇ちゃんも頑張ってきてね!」とそれぞれのグループに向かい、活動の後は「あ~、面白かった!また明日ね~!」「明日も頑張るぞ~!」と言いながら解散していきます。クラスに戻ったら「ただいま~!」と挨拶し、「今日は□□を作ったよ!」と早速担任の先生や友達に報告です。ちゃんと「お店屋さんにお仕事をしにいっている」感覚なんですよね。聞こえてくるそんな会話を楽しんでいました。

またある時には先生方のこんな声が聞こえてきました。「△△くん、初めておトイレでおしっこできたね?!すご~い!!(パチパチパチ)」「〇〇先生、△△くん、おトイレで成功しました!!」「ほんとですか??やった~!!おめでとう!!「え?!できたんですか??今?!」…といった具合に、伝言ゲームで喜びが広がっていきます。こんな時、私の頭には「尊い…」という一言が真っ先に浮かびます。人様のお子さんが初めてトイレで成功した事を、まるで自分の子どもの事のように心から喜んで、おめでとう!を伝え、誕生日さながらに何人もで拍手しながら成長の一歩を喜んでいるのが聞こえてくると、先生方の寄り添いの気持ち、心から喜んでいる様子に、手前味噌で恐縮ですが、「本当に“尊い”人達だなあ」と、ドアのこちら側で一人感動しているのでした。 

そこには仕事という意識を超えた本物の「心」が在るからです。そんな関りをずっと続けて欲しいと思っています。

そして子ども達のお祈りだけでなく、歌声もまた聖なるものだと信じています。音程がちょっとずれていたり、リズムもちょっとばらついていたり、かなりの高確率で2番と3番の歌詞が混ざってしまったりするけれど、長年聞いていても聞き飽きる事がないどころか、毎回幸せな気持ちになれるのです。エネルギーに満ち、癒しがあり、聞いている人を笑顔にする魔法だと思っています。

ぜひ次の七五三の式では、いつもよりちょっと意識して歌声に耳を傾けて、善い物をいっぱい受け取って下さいね!                          

                                     園長 佐々木 圭子

子ども達の歌声は、心に届きましたか?😊