秋が駆け足で訪れ、あっという間に黄色や赤の紅葉が綺麗に色づきましたね。手稲山の初冠雪も見られ、気が付くと早いもので11月…「触ってみて?冷たいよ??」と言いながら小さな手が次々と差し出される朝の玄関の風景に、今年もこの季節がきたのだなあと感じています。
さて、今日は園長室に聞こえてくるいろいろな「声」についてお話ししたいと思います。園長室は、ドアは一応閉まってはいるのですが、実はたくさんの声が聞こえてきます。子ども達の声はもちろんの事、先生方の声、お祈り、歌声…どれもはっきり聞こえてくるのです。そしてそれを聞きながら、あれこれ感じたり考えたりしています。どこかで泣き声が聞こえてきたら様子を見に行ったり、何かで盛り上がっている声が聞こえたら「どれどれ?」と覗きに行ったり、何かあったかな?という声の時にはフォローに入る事もあります。
お店やさんごっこのグループ活動の時は面白い会話が聞こえていました。始まりの時には「じゃあ、いってきま~す!」「〇〇ちゃんも頑張ってきてね!」とそれぞれのグループに向かい、活動の後は「あ~、面白かった!また明日ね~!」「明日も頑張るぞ~!」と言いながら解散していきます。クラスに戻ったら「ただいま~!」と挨拶し、「今日は□□を作ったよ!」と早速担任の先生や友達に報告です。ちゃんと「お店屋さんにお仕事をしにいっている」感覚なんですよね。聞こえてくるそんな会話を楽しんでいました。
またある時には先生方のこんな声が聞こえてきました。「△△くん、初めておトイレでおしっこできたね?!すご~い!!(パチパチパチ)」「〇〇先生、△△くん、おトイレで成功しました!!」「ほんとですか??やった~!!おめでとう!!「え?!できたんですか??今?!」…といった具合に、伝言ゲームで喜びが広がっていきます。こんな時、私の頭には「尊い…」という一言が真っ先に浮かびます。人様のお子さんが初めてトイレで成功した事を、まるで自分の子どもの事のように心から喜んで、おめでとう!を伝え、誕生日さながらに何人もで拍手しながら成長の一歩を喜んでいるのが聞こえてくると、先生方の寄り添いの気持ち、心から喜んでいる様子に、手前味噌で恐縮ですが、「本当に“尊い”人達だなあ」と、ドアのこちら側で一人感動しているのでした。
そこには仕事という意識を超えた本物の「心」が在るからです。そんな関りをずっと続けて欲しいと思っています。
そして子ども達のお祈りだけでなく、歌声もまた聖なるものだと信じています。音程がちょっとずれていたり、リズムもちょっとばらついていたり、かなりの高確率で2番と3番の歌詞が混ざってしまったりするけれど、長年聞いていても聞き飽きる事がないどころか、毎回幸せな気持ちになれるのです。エネルギーに満ち、癒しがあり、聞いている人を笑顔にする魔法だと思っています。
ぜひ次の七五三の式では、いつもよりちょっと意識して歌声に耳を傾けて、善い物をいっぱい受け取って下さいね!
園長 佐々木 圭子