もうすぐ12月。朝のお祈りの時間には、クリスマスの聖歌が聞こえてくる季節となりました。心配なニュースが続く中、子どもたちの歌声にほっと癒されるこの頃です。園では、イエス様のお誕生日であるクリスマスに、頑張る心、優しい心をプレゼントしようと遊戯や劇の練習に取り組んでいます。取り組みがスタートしてすぐの今の時期は、子どもたちの目が一番きらきらしています。自分が演じる役を教えてくれたり、その日に褒められた事を伝えてくれたり、新しい何かに挑戦することにわくわくしているのです。活動が進んでいくと、それが少しずつ落ち着いてきて、自分の事だけでなく周りの様子に目がいき、全体を見られるようになります。友達と一緒に「〇〇を頑張ろう!」という毎日の小さな目標が生まれ、それを積み重ねるというプロセスを経て、皆で一つの物を作り上げる喜びを経験できるのが、クリスマス会のねらいでもあります。変わっていく子どもたちの様子をしっかり見つめながら、それぞれの成長を心にとめて過ごしたいと思います。
ちょっとだけ、今年のプログラムをご紹介しますね。
満3歳児さんと年少さんは、一緒に3つのグループに分かれて遊戯を踊ります。毎年の事ですが、どんな様子になるか大人も本当にドキドキします…踊るかな?泣いてしまう子はいないかな?…でもどんな姿も、はじめの一歩、成長の一歩。初めてスポットライトを浴びて人の前に立つ、今しか見られない小さな可愛らしい姿をどうぞお楽しみに!
年中さんは絵本を基にしたオリジナル劇に取り組みます。森の動物たちから怖がられているおおかみくん。友達が欲しいといつも願っていましたが、ある日勇気を出して声を出してみると…?先入観や思い込みを捨てて、心を開いて近づいてみたら素敵な出会いがあるよ!という深いテーマを、元気に楽しく演じます。子どもたちにもこの物語の本当の意味が伝わるといいなと願っています。
年長さんはいよいよ、憧れだったイエス様の降誕劇に挑戦します。静かな聖夜、その時に起きた不思議な物語を、一人ひとりの登場人物の意味を考えながら、自分の役に責任を持ち、言葉や歌で紡ぎます。最年長である年長さんは、大人になった分、緊張も大きいかもしれませんが、力を合わせて一つの大きな劇を創り上げる喜びを味わって欲しいと願っています。
毎年の事ですが、この劇が終わった瞬間の大きな安堵感と幸せな気持ちは何物にも代えがたいものがあります。それを皆さまと共有できる事が、カトリック幼稚園としての大きな喜びでもあります。
一人ひとりがその子らしく、今持っている力の全てで輝いてほしいという心からの願いを込めて、本番を見守りたいと思います。そして、今世界中で悲しみの中にいる人々が、一日でも早く安心して生きる喜びを保証されるよう、皆さまにもご一緒にお祈りしていただけたら幸いです。どうぞ温かいクリスマスを迎えられ ますように・・・。
園長 佐々木 圭子