園長先生からのメッセージ日々の子ども

実りの秋

朝夕はすっかり涼しくなり、季節の移り変わりを感じます。園庭のほおずきも橙色に染まり、本格的な秋の訪れを告げています。これからどんどん夜が長くなっていきますね。

さて、幼稚園はお店屋さんごっこに向けて、グループ活動が始まりました。バラエティに富んだ4つのお店が開店します!お店屋さんごっこを楽しめるように、できるだけリアルなイメージを持てるようにと、子ども達と相談しながら、先生方も工夫を重ねています。例えばおすし屋さんでは、マグロの解体ショーから始まる!といった具合で、見ているだけでも楽しいです!

お店屋さんごっこの活動のねらいは大きく2つあります。

クラスや学年を超えて、普段あまり交流のなかった新しい仲間と関わり、一緒の時間を過ごし、友達関係の幅を広げていくという事。

もう一つは、様々な素材に触れ、創意工夫しながら、制作活動を楽しみ、協力して一つの物を創り上げる達成感を味わうという事です。

これは、ここ数年で耳にするようになった「非認知能力」を育てる事にも繋がる活動だと考えています。「非認知能力」とは、学力やIQなど数値で評価できる能力以外の、粘り強さや協調性、コミュニケーション能力、思いやり、自信、自制心などの幅広い力や姿勢を指します。学業や仕事など、子どもの将来にも大きく影響すると言われ、特に、幼児期から育成することが大切だと言われています。

今回、普段あまり関わりのなかった友達と、話し合ったり、時にちょっともめたりしながらも、

「どうやったらうまくいくか?」を考える事は、新鮮な刺激になるでしょう。他の子のやり方をじっとみて、考えて、そこから得るものも大きいでしょう。大人が教えるより、子ども同士で観察している時の方がすんなり理解できる事も多いからです。活動を進めていくうちに、自然と役割が生まれる場面も見られています。うまくいった時には、「やった~!」「楽しい!!」と共に喜び合い、さらに遊びに集中していきます。継続してじっくり取り組み、皆で完成させる事で、やりきった満足感や、達成感を味わえるように、導いていきたいと思います。

活動が終わった後は「じゃあ、また!」と一仕事終えたかのように、お互いに挨拶をしてクラスに戻っていく子もいて、面白いです。仲間意識が少しずつ芽生えているのでしょう。

お家でも、初めて聞く友達の名前が出てくるかもしれませんね。

お店屋さんごっこができるまでの様子は、後日お手紙でもご紹介します。そして今年度は、実際どんな風に出来上がったのかをぜひご覧いただきたく、本番直前に参観日を予定しております。

人間関係の広まりと深まり。遊びこむ事、考える事。それを沢山経験できる、まさに「豊かな実りの秋」になる事を願いつつ、毎日を過ごしていきたいと思います。

                                  園長 佐々木 圭子