園長先生からのメッセージ日々の子ども

笑顔のちから

     「イエスさま わたしに いつでも笑顔を 

        あふれる感謝を 許せる心を

 どんな時でも どんな人にも 与える愛を 愛をください」

これは子どもたちがいつも歌っている「愛をください」という聖歌です。私はこの曲がとても好きです。子どもたちの歌声でこの歌を聴くと、「ああ、本当に良い歌だなあ。大人もこうありたいなあ」と歌詞の深さに何度も気づかされます。

この歌にあるように、子ども達にいつも持っていて欲しいもの、それは何といっても笑顔。そして自分を大事にする事、周りの人のことも大切にできる事。わたしを、ぼくを、いつでも一番に思い、自分より自分の事のように思って行動し、喜び、悲しんでくれるお母さん、お父さんがいる事。愛されている事への気づきと、それに対する「ありがとう」の気持ち。与えられることよりも、与える事を喜べる愛の気持ちです。

卒園する年長さんは、小学校で新しい世界が待っています。楽しいこと、わくわくする事がたくさんあります。同時に、初めて見るカラーの友達との生活の中で、時に理不尽な経験、心の痛みもあるでしょう。  

そして保護者の方は、お子さんの心に自分自身の経験を重ね、大人の手が届かない「子どもだけの世界」の歯がゆさや、やりきれなさを感じる事もあるかもしれません。そのような時にこそ、「自分でできるように手伝ってね」というモンテッソーリの心を思い出して頂きたいと思います。自分でハードルを乗り越えていく力をつけるためにはどうしたらよいのか、どんな言葉で自分の気持ちを伝えたらよいのか、周りの友達とどのようなコミュニケーションをはかったら良いのか、一緒に考えながら背中を押してあげて頂きたいと思うのです。傷ついても帰れる場所がある、絶対的な味方がいつもそばにいてくれる事を知っている子は、もっと強く、もっと優しくなれる事でしょう。傷が癒えたらまた勇気をもって外の世界に行けるはずです。

最後に、お母さん、お父さんにこの祈りを贈ります。

            主よ、慰められることより 慰めることを
             理解されることより 理解することを、
              愛されることより 愛することを、
                わたしが、求めますように

         (アッシジの聖フランシスコ 平和を求める祈りより)

この一年は誰にとっても大変な、心が折れそうになる一年でした。生活がどんどん変わっていく中で、変わらない心でいる事の難しさも知りました。落ち着かない日々の中で、この祈りが心の平静をすっと取り戻したい時の一助になると嬉しいです。そして園生活においても沢山の変化を強いられる状況でしたが、皆様の温かいご理解ご協力を頂けました事に心より感謝申し上げます。直接お会いできる機会は少なかったですが、皆様のまさに“変わらぬ笑顔”に何度も救われました。健やかで明るい日が、一日でも早く戻ります事をお祈りしております。

                    園長 佐々木 圭子

                              

    

この笑顔がいつまでも守られますように・・・