園長先生からのメッセージ日々の子ども

はるの風景

少しずつ風景に色が加わり始め、「ああ、春だなあ」と思う瞬間が増えてきました。こぶしやレンギョウ、ムラサキツツジ…もうすぐ桜も満開になりそうですね。

足元にはアリが歩き、気の早いモンシロチョウも見かけました。北海道の春は“季節が変わりましたよ”のしるしがとてもわかりやすいので、子ども達とも見つけながら楽しみたいと思います。

朝の玄関でも、春の風物詩(⁈)とも言える、子ども達の泣き声や、お母さんとの別れがたい姿が見られていますが、少しずつその時間が短くなり、靴を脱ぐのも早くなってきました。進級した子ども達は、張りきって「おはようございます!」と挨拶する子が増え、新しいお友達をクラスまで連れていってくれる姿も見られます。手を繋ぎながら、ちゃんと少しかがんで言葉をかけてくれている後ろ姿を見るとぐっときます。お兄さん、お姉さんに見える子ども達も、つい先月までは年少さん、年中さんだったのですから、きっと内心は初めて出会うお友達に、どきどきしている事でしょう。それでも勇気を出して声をかけ、優しく接する姿に、心の中で大きな拍手を送っています。

「自分がしてもらった事を、小さい人たちにもしてあげたい」「今度は自分の番!」という気持ちが原動力になっているのだと思います。そしてこの経験の積み重ねで自分も成長していくのですね。

「みんなからもらったバトンはちゃんと引き継がれているよ~!」と、一年生になった卒園生にも大きな声で届けたい気分です。

さて、4月は様々な「はじめて」が満載だった子ども達。友達や先生や、園生活の環境全てから色々な刺激を受けながら、自分の力を最大限に使って頑張っています。制服のボタンを一つ留めるのにも、長いこと下を向きながら挑戦していたり、シール帳に貼るシールをどれにするか迷い、そうしてやっと貼ったと思ったら、一つ下の欄だったり…(残念!)と、一つずつの作業にたっぷりと頭と手と時間を使っています。そんな今だからこそ、大人もできるだけじっくり関わって、一つずつの作業がすっと浸み込んでいくように丁寧に伝え、できた時にはいっぱい褒めています。

時には“帽子をかぶるのがいや!”だったり、“トイレにいくのがいや!”だったり、“順番に並ぶのはいや!”だったり、たくさんの“いや!”もあります。もう頑張りたくない!疲れちゃった!がそうやって出てくるのです。大きな泣き声のおまけつき!の事もあります(笑)。

面白いなあ、可愛いなあ・・と思って見ていますが、これも一時の事。いつの間にか、自分から帽子をかぶってみたり、友達の後ろに並んだりできるようになっていきます。小さな葛藤を積み重ねて、頑張って、ちょっとずつ幼稚園の、そして社会の子どもになっていくのですね

そして連休明けは、園生活のリズムを取り戻すのにまたちょっとかかると思いますが、ゼロに戻るわけではありません。ちゃんと積み重なったものがありますので、あまりご心配なさらずに、笑顔で背中を押して頂けると嬉しいです。5月からは本格的に様々な活動が始まります。またみんなが笑顔で過ごせますように・・・楽しみにお待ちしております。     

                                     園長 佐々木 圭子