園長先生からのメッセージ日々の子ども

そよ風が吹くように・・・

暑い暑い夏休みでしたね。皆様お元気で、夏ならではの時間を楽しめたでしょうか?久しぶりの登園を心待ちにしていた子、ちょっと緊張している子、恥ずかしそうに照れながら玄関に入ってくる子、そんな様子がもう目に浮かぶようです。でもどの子も、心の中は夏休み明けには話したいことでいっぱいです。先生方は何人もの顔を見ながら、「先生、あのね!…」の話に、順番に耳を傾ける事になります。二学期もそんな和やかな風景からスタートする事でしょう。

さて、夏休みの間に私達はいくつかの研修を受けました。2学期の保育に活かせるよう、頭を使い、心を使って、1学期の振り返りと共に、前に進むパワーをチャージしました。その中に、とても印象的な言葉があったので、皆様にもお裾分けします。

それは「そよ風が吹くように人に親切にしなさい」と言う神父様の言葉です。人に優しく、親切にする時は、私は親切な事をしているよ、というアピールや主張をせず、さらっと行いなさい、という意味です。その相手が、そよ風が通りすぎたぐらいのタイミングで、ふとその心地良さに気付くぐらいで良いというのです。自分の行いへの見返り(対価)や報いを求めず、誰にでもそれができるようになりなさい、と…。これは本当に難しい事です。でも、“そよ風”という優しい響きが、私達の心を軽くしてくれます。自分にもできるかもしれない、と思わせられるから不思議です。 「これだけしてあげている(のに)」という思いを持たず、自然に親切にふるまい、そして次の瞬間にはした事を忘れているくらいの、そんな人になりたいと、自分を省みつつ強く思ったのでした。

また、これとよく似た意味の話が聖書にあります。「右手のする事を左手に知らせるな」という言葉です。どんなに善い事をしていたとしても、アピールをせず、謙虚にそっと行いなさい、というのです。極端な言い回しではありますが、善行が人目につかないよう、自分の身体の一部にすら、それを知らせるな、という教えです。あなたが善い事をしている時、それを誰も見ていなくてもいい。でも必ず神様は見ていて、あなたに報いてくださるよ、という意味です。

そして私達がいつも子ども達に伝えているのも、「誰も見ていなくても、神様は見ているよ」という言葉です。その言葉は時に、自分を励まし、時に自律心を育てます。これから先、大人になるにつれ、自分の正しさを貫く事が難しい状況もあるでしょう。葛藤も増えていきます。そんな時にふと、この言葉が心に浮かび、救いとなる事を願って繰り返し伝えています。これがカトリック教育だからです。どんな時でも、より善い事、正しい事を選択する勇気を持った、強い心の人になって欲しいと祈っています。

長い二学期は、様々な経験を通して心がぐんと成長する時期です、善悪を判断する力、そして人に感謝する心、思いやりの心がますます伸びていけるよう、お子さん達の助けとなりたいと思っています。二学期もどうぞよろしくお願い致します。

                                     園長 佐々木 圭子

                                                                                            

二学期もいっぱいあそぼうね!