これを書いているのは、運動会総練習、ちょうど夏至の日です。夏はこれからだというのに、明日から少しずつ陽が短くなっていく…という淋しいジレンマを感じながら、子ども達の姿を振り返っています。
今日現在、運動会予定日の24日は雨予報…園便りをお届けする日には、運動会が終わっているかわかりませんが、これまでの子ども達の様子をお伝えしたいと思います。
ここのところ、ある時は競技の補助として、またある時は撮影係として、各学年の運動会への活動に参加しているのですが、そうしているとあらためて年齢の違いがはっきりとわかり、面白いものです。
年少さんのかけっこを見ていると、子どもは「走る」という単純なそれだけの動作を、心から楽しんでいるのだという事がよくわかります。ただひたすら、自分の身体の力を思い切り使えるのが嬉しいのです。
「見て!わたし(ぼく)、こんなに早く走れるようになったよ!」と言わんばかりの、嬉しそうな笑顔に「生の喜び」がみなぎっています。周りと比べて遅いか速いか、ではなく、「自分はすごく速いんだ!」と信じて真っすぐにゴールを目指してくる姿は、まさに生まれて数年の命が、“与えられた生命力を謳歌している”ように映り、練習とはいえ、拍手せずにはいられません。
この「わたしって、ぼくって、すごいんだ!!」という事を信じて疑わない心が、この時期の子どもの尊さだなあと、それを本当に愛おしく思います。
この頃に子どもが口にする「わたし、ぼく、すごいでしょ?」には、思い切り「すごいね!」と肯定して返してあげる事がとても大切で、認めてあげて、一緒に喜んであげる事の積み重ねが、「根拠のない自信=自己肯定感」を育て、この先の歩みにも大きく影響するのだと思います。
そして年中さんや年長さんになると、「自分はすごい!」から、周りを見るステップに移り、「自分だけじゃなく、皆もすごい!」からこそ、勝ち負けがあるという事を知り、結果も意識し、上手にできる事を目指すようになります。これはこれでものすごい成長です。
勝った時の喜びを味わい、負けた時には涙するほどの悔しさを感じ、その感情の波が「今度こそ(次も)勝ちたい!」というバネになります。練習中に「もう一回やりたい!!」の言葉が出てくるとしめたものです。目標が定まり、もっと挑戦したいというスイッチが入ったという成長の証しです。
更には友達と協力して取り組む事で、喜びも、悔しさも、一緒に経験し、共感する場面が増えます。この“共感する”という経験がとても大事です。自分の気持ちを表現し、相手の気持ちも自分と同じだと理解する、という「共感力」が「人を思い遣る」事ができるようになる土台だからです。運動会の活動の大きな目的はそこにあります。身体を存分に使いながら、心の育ちをしっかり見守っていきたいと思います。
さて、今年はどんなドラマが生まれるでしょう。大人も子ども達の頑張りに“共感”しながら、素晴らしい時間を過ごせますように…
園長 佐々木 圭子
そして、7月1日、無事に運動会を開催できました!
子ども達の表情を並べてみると、その年齢ごとの良さがよくわかりますね。皆よく頑張りました~!