春の心地よい風を感じる頃となり、園庭ではこいのぼりが元気に泳いでいます。子ども達は勢いよく泳ぐこいのぼりのしっぽを捕まえようと、ぴょんぴょん跳ねたり、追いかけたりしていて、毎年のその変わらない風景が私はとても好きなのですが、同時に、今年も本格的に始動したなあと、きりっとした気持ちにもなります。保護者の方はどのようにお過ごしでしょうか?お子さんが登園した後、“今頃何してるかなあ…?”とぽっかり空間が広くなったような、ちょっと淋しいような気持ちになっているかもしれませんね。今年度は涙するお子さんが意外に少なく、園生活のリズムに馴染みつつあります。園でどんな事をしているのか、お子さんの話だけでは伝わりにくい時期かと思いますので、何か気になる事がございましたらいつでもお声がけくださいね。
進級児さんは自分から進んで小さい子に声をかけたり、手を取ってクラスに連れて行ってくれたり、先生が小さい子のお世話をしていると「手伝ってあげるか?」と声をかけてくれたりして、大活躍です。恥ずかしくて、直接声をかけられずに見ている子もいますが、“小さな子が何ができなくて困っているのか? ”はちゃんと理解しています。そんな時には「お願いしてもいいかな?」と聞くと、すぐにそばに来て助けてくれます。アプローチの仕方はそれぞれですが、頼れる存在のお兄さん(お姉さん)になったなあ…と嬉しく思ってみています。
さて、そのお子さんのお手伝いをさせて頂く時、いつも先生方は「半分だけ」です。例えばチャックを閉める時には、最初にカチッといれてあげてちょっとだけ上げます。「ここからならできるかな?」とバトンタッチします。少し経った頃には、カチッと入れる練習もします。スモックのボタンも、一番見えにくい上のボタンを外してあげます。真ん中と下のボタンは、ボタンを引っ張って、穴に入れて、反対側からボタンを抜く作業を一緒にしてみます。お手洗いの後、シャツをズボンやスカートにしまうのも、背中側は難しいので入れてあげつつ、自分で見える前側は下向きに手を添えて一緒に中にいれます。この地道に見える作業を毎日繰り返す事で、少しずつ身につけていくのです。
もちろん、全部やってあげた方がずっと時間はかからないのですが、やっぱり基本は「自分でできるようになるように手伝ってあげる」事です。ここを意識すると関わり方が変わってきます。
大人の根気も試されますが、一日ちょっとずつちょっとずつ…お子さんができるようになっていく姿を見るのはとても嬉しいものです。ご家庭でも上着の着方、靴のマジックテープ、帽子の前後ろ…などなど、小さな事を大切に、朝の支度やお出かけの時、少し時間に余裕を持って、一緒にやってみてくださいね。
今週末から大型連休に入ります。連休明けは久しぶりの登園に不安を感じやすいタイミングではありますが、ご家族の皆様にも背中をそっと押して頂けると嬉しいです。職員一同、お子さんに会えるのを楽しみに、両手を広げてお待ちしています!
園長 佐々木 圭子