園長先生からのメッセージ日々の子ども

誰も見ていなくても、神様はいつも見ているよ

「これは本当に2月の景色なのかな…?」と園庭の雪の山を見ながら首をかしげています。 例年ですと、そろそろ気温も上がってザラメ雪になり、「雪遊びもそろそろ終わりだね~」…などという会話が聞かれる頃なのですが、今年はきっと雪雲が間違えて運んできたであろう膨大な量の雪を見つめるしかありません。子ども達は質の良い雪を長い期間楽しめたので、それはとても良かったのですが、春はまだまだ先かなあ…とため息をつきたくなります。

とはいえ、カレンダーはもうすぐ3月。保育室からは卒園の歌も聞こえてくる時期です。今はこんなに大きくなった年長さんの、小さかった頃の姿が思い浮かびます。私にとっては、3年前に一緒に虹の森カトリック幼稚園に入園した“同期”でもあります。大人しくて、ほとんど声を聞く事のなかった男の子が、今は自分の思いをちゃんと言えるようになり、皆をリードして園庭を走り回っています。声の大きさも表情も控えめだった女の子は、小さい子のお世話を率先してくれる素敵なお姉さんになりました。「幼稚園なんて大嫌い!!」と怒って泣いて蹴とばして(⁈)、玄関で2時間近く頑張った子も、今では周りをよく見て色々と気づいて手伝ってくれるお兄さんになりました。

こんな子ども達の成長を振り返ると、やはり縦割り保育の、年上の友達や年下の友達と一緒に過ごす時間の中で得られたものは大きかったと思います。初めは何もできなかったけれど、必ず誰かが助けてくれました。時には手を取って優しく教えてくれました。そうして自分でも一生懸命挑戦していくうちに、「自分でできた!」を沢山経験した子ども達です。やがて次の春が来て、自分より小さな子ども達と出会った時に、その子達を助ける役に回っていく事で、経験を上塗りしてさらに自分の力にしていくことができる、そんな二年、三年だったのではないかと思います。どのクラスでも成長のループがしっかりとできてきた事を実感しています。

大きく成長した年長さんですが、小学校ではまた一番小さな存在となり、新しい6年間がスタートします。心の中に迷いができた時には「誰も見ていなくても、神様はいつも見ているよ」という言葉を思い出して欲しいと思います。誘惑に負けそうな時、ずるさや弱さに負けそうになった時、「さあ、どっちを選択する?」と自分に問いかける場面が必ず何度もあります。そんな時、この言葉を思い出して「より善い方」を選び取っていける人になって欲しいと願っています。

「自分がされて嬉しい事を、誰かにもしてあげよう」。カトリックが目指す平和の教育を、こんなシンプルな言葉に置き換えて子ども達に届けてきたつもりです。反対に「自分が嫌なことは、相手にもしないこと」。これらは2つで1つです。自分の事を大切に、そして周りの人も自分と同じように大切にできる人になって欲しい…それが私達の願いです。

願ったり、祈ったり…が沢山ありすぎて、欲張りだなあと自分でも思います。でも、卒園の子どもを送り出す時にはこの感情がぎゅっと溢れてしまうのです。毎日一緒にいることはできなくなる子ども達へのエールと愛と。私達はここからずっと、お子さんとご家族の皆様の幸せと健やかな日々をお祈りしています。

最後にあらためまして、保護者の皆様には、本当に沢山のご理解ご協力を頂き、心より感謝申し上げます。皆様のご対応にどれだけ助けられたかわかりません。まだまだ大変さはありますが、少しでも明るく、自由な日々に近づく事を心からお祈りしております。                

                                      園長 佐々木 圭子

職人技(⁈)
いっぱい雪遊びを楽しみましたね!