あっという間にもう10月も終わりに近づき、陽が落ちるのがとても早くなりましたね。
夏が長かった分、季節がぎゅっと詰まって感じますが、気づけば葉が黄色や赤に染まり、風景を美しく彩っています。
さて今月は、そんな秋の夜長におすすめの絵本をご紹介したいと思います。
『 あめだま 』作 ペク ヒナ 訳 長谷川義史 ブロンズ社
この絵本は、正確には「絵」ではなく、人形とセットを写した写真でできています。
思わず笑ってしまう主人公の表情と、本物のようなセットの中で繰り広げられる
ストーリー。特筆すべきは、それが全て関西弁!という事です。
どのページをめくってもその表情と迫力に笑ってしまう事間違いなしです。
そして圧巻なのはラストに向かうページの紅葉の美しさ!
そして、それまでと打って変わった“しん”とした静けさと切なさ…
ここで読者の心の動きを“がらっと”変えてしまうところも大きな魅力です。
ぜひこの季節に親子で開いて欲しい本です。

『 サンタさん ありがとう ちいさなクリスマスものがたり 』作 長尾 玲子
季節は少し進みまして、クリスマスのプレゼントにおすすめの絵本です。
そしてこちらも正確には「絵」ではありません(笑)。見ているだけで
「うわ~!」と感動する繊細な刺繍で綴られていて、見終わった後には
なんとも心が温かくなります。サンタさんには顔がないのに、不思議とちゃんと表情が見えてくる…そんな絵本です。同シリーズの「クリスマス・イブのおはなし」という小さな3冊組の絵本もとってもおおすすめです。
お子さんと一緒に、そしてお子さんが眠った後に、もう一度ゆっくり開いて、ほっこりと幸せな気持ちを味わって欲しい絵本です。

『ゆうれいとすいか』 作 くろだ かおる 絵 せな けいこ
こちちは来年の夏にぜひ!(笑)ゆうれいなのに、周りの登場人物は全く怖がりません⁈
しかも、「あれ?ゆうれいだったのかい?」と気づかれた後も、
人間達は全く動じず、そのままお手伝いをさせられるという面白さ。
そしてゆうれいだからこそできる(⁈)「そうくるか?!」という展開が、
まあ面白いこと!初めてこの本に出会った時の衝撃は未だに忘れられません。
こちらも「ゆうれいとなきむし」「ゆうれいとどろぼう」の
3冊のシリーズがあります。こんなゆうれいなら友達になれそうな、
子ども達にも大人気の本です。

子ども達は絵本が大好きです。読み聞かせの時には友達と一緒にいっぱい笑い、そして時には思いやりや優しさ、美しさにしみじみする事もあります。私は読み聞かせの後の「空白の一瞬」がとても好きです。そこに子ども達の余韻がぽかんと浮かんでいるからです。この時期に出会った絵本はずっと記憶に残る宝物。そして、絵本は子どもだけのものではありません。忙しい時間を過ごしている保護者の皆様にこそ、心が柔らかくなって、ほっとする、そんな読後の醍醐味をぜひ味わって頂きたいと思います。読書の秋、ぜひご家族皆様で絵本の世界を味わってみませんか?
園長 佐々木 圭子
