桜が満開になったのが合図かのように、チューリップやムスカリ、水仙やレンギョウ…たくさんの花が一気に開きましたね。まさに百花繚乱、北海道が一番美しい季節がやってきました。子ども達も園庭で思い切り体を動かして、この気持ちの良い気候を楽しんでいます。
そして、子ども達の様子にも変化が見られます。朝の支度がスムーズになり、自分がやる事の順序が身に付き、一日の流れを体で理解しはじめています。
そんな風に幼稚園生活での様々な約束が少しずつ身についてきているこの頃、モンテッソーリ教育の大きなヒントがありますので、ちょっとお話させていただきます。先日の参観日でも少し触れさせて頂きましたが、モンテッソーリ教育の一番の思いであり、目的は「子どもが自分でできるように大人が援助する」という事です。
例えば手洗いについて。手指の洗い方、蛇口の開閉(水量の調節)、手の拭き方、ハンカチの畳み方・・・たった一つの事を終えるのに、こうして分けて書き上げると、実は沢山の過程があります。
その一つひとつを伝えるのに一番良い方法は、「見せる」事です。モンテッソーリ教育では初めての事を伝える時に、必ず大人が一度ゆっくりやって見せます。そして、その間、同時に言葉を発する事はせず、黙ってやって見せるのです。
見せながら説明をすると、子どもは目と耳を同時に使う事になるので、理解するのがちょっと難しいのですが、黙ってすると、集中する事ができます。それを二度、三度繰り返すと、まるで鏡に映しとるように吸収できるのがこの時期の子どものすごい力なのです。この力を目の当たりにした時、「へえ~っ!」と何度でも新鮮な驚きと喜びを味わうことができます。
ご家庭でも、洋服の畳み方、ボタンのかけ方、水の注ぎ方、鼻のかみ方等々、ちょっと試してみてください。保護者の方も「へえ~っ!」を体験できる事と思います。お子さんが自分でできる楽しみもぐっと増えるかもしれません。これからの一年が楽しみですね!
園長 佐々木 圭子