夏休みが終わり、いよいよ2学期が始まりました。今年は暑すぎず、涼しすぎず…北海道らしい過ごしやすい日が多かったように思います。行動制限のない夏休みとはいえ、変わらずのマスク生活の中、色々と気をつけながら昨年より少しだけ自由な夏を過ごされたのではないでしょうか?私も車で遠出をし、一本の木を見に行きました。20数年来の再訪です。「はるにれ」という絵本のモデルになった、豊頃町にあるハルニレの木です。
「はるにれ(姉崎一馬)」 これは文字のない、写真だけの本です。一本のはるにれの木の四季を写しているのですが、そこには確かに言葉があり、厳しい自然の中で生きている木の命が伝わってきます。幼稚園の時にクリスマスプレゼントとしてもらったこの本が私は大好きで、何度も何度も開いたものでした。同じ北海道の中にある木だと知ったのはずっと後の事でしたが、季節ごとの写真が自分の身近な風景そのものだったので、吹雪の中で一人(一本)で立っているその厳しさは想像に難くなく、とても可哀そうに見えました。そして季節が巡り、青々とした葉をつけて陽を浴びている姿をみると、夏の日差しが自分の中にも蘇ってくる感じがして、それを楽しみました。その本を開くときは、いつも一人だった記憶があります。写真だけの世界に、自分なりのストーリーをつけてすっぽり入り込んでいたのでしょう。だからこそ大人になっても印象深く残っているのかもしれません。子ども達にも、そんな絵本と出会って欲しいなと思っています。現在、樹齢は150年だそうです。しっかりと葉が生い茂り、生命力に満ちていて、懐かしい友達に会ったような嬉しさを味わってきました。お近くをお通りの際は、ぜひ眺めてみて下さい。
そしてもう一冊、この夏イチオシの、これまた写真の絵本をご紹介します。
「くみたて(作 田中 達也)」
ミニチュア写真の絵本です。前述の本とは反対に、こちらは今年の春に出たばかりの新刊で、先生方にも人気です。普段どこの家にもある、すぐ手に取れるあれもこれもが、大変身!自分が小人になったような視点で見るとあら不思議!これを分解するとこうなるのかあ…という科学的な視点で見たり、よく見たら〇〇でできてるの?!と驚かされたりする楽しい本です。この絵本だけでなく、著者のミニチュア作品はダジャレをテーマにうまく作られていて、その発想につい笑ってしまいます。大人の方にもぜひ出会って欲しいなと思います(Instagramもおすすめです!)
今回は、ぜひ手に取って欲しいなという写真絵本二冊をご紹介しました。どちらも二学期より絵本の部屋で貸し出しします!
長い二学期も、こんな風に子どもと一緒の視線で、笑ったり、驚いたり、感じたり…そんな時間を過ごせる事を楽しみにしています。大人の中の子どもの部分のアンテナをしっかり張って、共感を大切にしていきたいものですね。今学期もどうぞよろしくお願い致します。 園長 佐々木 圭子